「ExtendScriptをどうやって覚えたらよいのか?」について考えてみる2「ExtendScript Toolkit」編

前回ExtendScriptについて大雑把に書きました。


今回はいきなり実践に入っていきます。
題して「誰も教えてくれないExtendScript Toolkitの使い方。」
ExtendScript Toolkit」略して、esToolkitは、単なるテキストエディタではありません。
開発環境です。
開発環境ですよ。
今まで、テキストエディタしかつかったことのない方には
たぶんみなれないボタンや、言葉が目白押しです。
そして、さっさと閉じて見なかったことにしたくなる。
そんな方に、いったいどんな風に使うのかざっと流れを
チュートリアル風に紹介します。
JavaScript」や「正規表現」のことについては端折ります。
今回はあまり必要ありません。
基本的なことについては、
スクリプトの使い方(種類・保存・利用) - 名もないテクノ手でおさらいをしましょう。(さっそく他力本願)
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では、始めます。

ちなみに私の環境はMacOSX、AdobeCS3ですので「ExtendScript Toolkit2」になります。
あらかじめご了承ください。
それでは順を追って説明していきますね。
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イラストレーターのドキュメントにまずは、パス2つとテキストフレームを1つ作ります。
そして全部選択しておいてください。


■■2■■
ExtendScript Toolkit2を立ち上げる。
スクリプトを書くためのウィンドウ
●データーブラウザ
JavaScriptコンソール
が確認できるでしょうか?なかったらいろいろ探ってみてください。
すぐに見つけることができると思います。

ここにスクリプトを書いていきます。

エラー等の文字が出力されます。自分で任意の文字を出力させることもできます。

スクリプトの構造を確認することができます。


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スクリプトを書きましょう。
といってもコピペするだけです。

function TEST(OBJ){
	$.bp();
}
TEST(app.activeDocument.selection);

赤い印の所を「Illustrator」にしておいてください。


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準備は整いました実行しましょう。
「三角」のボタンを押せば実行されます。


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「$.br()」と書いてある場世で黄色い帯が出て止まったでしょうか?
おめでとうございます。ブレークポイントの成功です。


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上の状態のままで、データーブラウザをみてみてください。

「OBJ」のところに「パス(PathItem)」「テキストフレーム(TextFrame)」が確認できます。


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「■」ボタンをおしてスクリプトを止めます。


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スクリプトを書き換えます。といっても。
最後の行のselectionに「[0]」がつくだけです。

function BR(OBJ){
	$.bp();
}
BR(app.activeDocument.selection[0]);

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もう一度スクリプトを実行。
ブレークポイント【$.bp()】で止まります。


■■10■■
データーブラウザをみてみてください。

今度は、「PathItem(or TextFrame)」だけになりました。



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今度は、さらに「OBJ」をクリックしてその中身も見てみます。

ずらっと出ますが、あわてないでください。
この中から「filled」を探してください。「true(真)」になっています。
これは、「塗りになにかしら色がついている」ということです。


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さらにさらに、「filled」をクリックして、「true」を「false」に書き換えてみます。


■■13■■
今度は、「三角」のボタンをおしてスクリプトを進めます。
無事、スクリプトは終了したでしょうか?


■■14■■
イラストレーターに戻ります。
app.activeDocument.selection[0]は星型のパスだったようです。
塗りがなくなっております。



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データーブラウザでやった操作を
スクリプトで書くとこうなります。

function BR(OBJ){
    $.bp();
	OBJ.filled= false;
	$.bp();
}
BR(app.activeDocument.selection[0]);


■■■
おつかさまでした。今回は終わりです。
説明どおり動いたでしょうか?
いろいろ疑問点もあると思いますが、それは今度にします。
ExtendScript Toolkit」の簡単な使い方がわかってもらえたと思います。
ポイントは、
$.bp()で、止める。
止めることによって、止めた時点のオブジェクトの状態を見ることができるので、オブジェクトの数値がどうなっているか確認することで、
より理解が早まると思います。



さて、期待にこたえれるかどうか…
続く。