DTPの残業時間は「はまる」時間の長さで決まる?

プログラマーの開発速度は「はまる」時間の長さで決まるを読んでいろいろ納得、言っていることはプログラムの世界だけではなくDTPの分野にもある程度共通する所もあるよね、ということでちょっと真似て書いてみましたよ。

1. ファイル名やスタイル等への命名が不適切
段落スタイル、ファイル名など、
とにかく文字として表れる名前には、
必ず、例外なく、正しく誤解のない命名を徹底することが
非常に重要だ。
不適切な名前は、誤解を招き、
まさかこのスタイル名でそんな組み方になるとは思わなかった、
という類のはまり方は本当に最悪で、
時間も無駄になるしモチベーションも減退する。
段落スタイルを書いたオペレーターに対しての信頼も失われてしまう。
一人で製作をしているときでも、
規模がある程度以上になると、
自分がつけた適当な名前に自分自身で「はまる」、
という三流パロディーのような事態が起こりえる。
複数人で開発しているときに適当な名前をつけてしまうと、
各所でミスが発生し、製作効率が激減する。


2. 「とりあえず」デザインが悪さをしている。
命名と同様に、どんな忙しい状況でも、
「自分でも納得でき、人に見せても恥ずかしくないデザインしか提出しない」ことを守り続けることが重要である。
「今回は時間がないのでとりあえずこのまま提出します」といって提出したデザインは、
多くの場合初稿以降にやり直しの原因になるし、
場合によってはデザインが原因となって他の箇所でケチがついてはまる原因となる。

「とりあえず」やっつけたデザインとは、例えば次のようなものだ。

  • ねらいや内容を根本理解せず、見た目だけデコレーションで凌いでいる
  • 理由はよくわからないんですが、とりあえず収まって見えるので...
  • 明らかにやっつけ仕事と分かるような、見た目が極端にチープなデザイン

期日が迫っており、とにかく時間がない、というような状況だと、
ついやっつけでデザインしたくなるかも知れないが、
忙しいときこそ、「やっつけでデザインしない」ことを死守すべきだ。

印刷が完成した後に見つかった間違いやクレームに対応するには、
製作時の手間がまったく無駄になってしまう事を
私たちは経験的に知っているわけだから。


3. 「このデザインは何かがおかしい」と感じながら作業を続けている
これは例えば、「もっといいデザインがあるはずなんですけどね...」とぼやきながら、
あまり望ましくないと思われるデザインで製作を続けてる、というようなケースである。

「もっといいデザインがある」と感じる直感はたぶん合っている。
自分が不快感を感じる部分は絶対に直すべきだ。
しかも、「何かがおかしい」状態で作業を続ければ続けるほど、
やり直しのエンドレスループに陥っていく。


4. アプリケーションに振り回されている
ときどき、いざデザインせん、ということで、
頭で考えて大体の当たりを付ける前に、
突然イラストレーターを起動して色々な色を付けてみたり
ドロップシャドウを入れたり、
エフェクトしたり拡大縮小を繰り替えしたりして
ディスプレイの前で腕を組んで首を傾げ、
一向にデザインが進まない、という人がいる。

もしこういうはまり方をしやすい人がいたら、
その人に対するアドバイスとして、
まず文字だけ打つ。
文字を打ちつつ内容に対して理解をふかめ、
全体のビジュアルや雰囲気を決める。
レイアウト決める。
バランスをとりつつ色をつけていく。
といったことろから始めてみてはどうだろうか?


5. 「よくあるつくり」に対する理解が乏しい
基本は大事です。


6. 便利な機能の存在を認知できていない
新しいアプリケーションが出たらざっと機能紹介には目を通すべき。
マニュアルは目次だけ目をとおしてどんな機能があるかだけは把握しておく。

もちろん、デザインのコンセプトを考えるときなどは、
むしろ、「はまる」ことの連続だし、
それが健全な姿だろう。
が、ひとたび作るべきものが見えてくれば、
そこから先の製作で
「はまる」時間は極力少なくすべきだし、
上に書いたようなことを
気をつけながら製作を進めるように習慣をつけていけば、
頭の中でレイアウトしながらサクサクとデザインをしていけるかも?

とかなんとか言っておきながら、
実際はクライアントの意向だったり、営業の圧力だったり
時間・予算・人がぜんぜん足りなかったりで
いかんともしがたいのが現実ですが。

ちょっとたまにはこんなのも書いてみたくなっただけです。